にがつ

まだ目覚めたばかりの 新しいいのちのつぶつぶが 瞼にくっつき 目を閉じさせる 鼻をひくひく 匂いだけ嗅ぎたくなる おはよう おはよう おはよう つぶつぶをからだの胸のまん中あたりに そっと置いて じっとしてる 苦味も旨みも 酸いも甘いも また今日からう…

白ネギ姫

白い道を歩いた まだ誰も足跡をつけていない まっさらな道 白い息を吐きながら すこしふくらんだ道を歩いていく 歩けば歩くほど わたしは白い世界に染まっていく やがて身体は熱をもち 静かに胸は高鳴りはじめ そうして生まれた白くて甘い鼻歌が 冷たい風に…

パパイヤ

そういえば南の国のあの一番西の端にあるあの場所に パパイヤの木があったパパイヤの木は 家の裏の畑の側に 唐突に 立っているどうしてかにやけているようにみえるパパイヤの実、 どうして わらっているの

梅雨ダンス

紫陽花がささやいてるここ ここ紫陽花はおどる雨にうたれてうたいおどる 梅の実はそのうわさをききつけてもうたわずにじっとしてる でもいつかおどることができたらいいのに紫陽花にみまもられながら雨と雨のあいだをとおりぬけて雨とダンスをおどってみたい…

五月

とんがり山 こんにちはー え どこ とせのびしていた あのひ あのころ とんでは はねて ころげて ふりむき でんぐり かえる みるみるうちに そらにむかって のびてく てとて きみのうまれた このあおいときを ぎゅーとしぼって ごはんにかけたい ふふふ すき…

わかばひかる

るるるる るるるる 川のみずが下から上へと流れてゆく すすすす すすすす その川のながれをまねするように 名もない草が風にふれる また いつか どこかで 会おう と 遠いスペイン サンティアゴ聖地への道900キロを 共にあるいた ふるさとのちがう者たちが…

三月

いってらっしゃい いってらっしゃい ちいさな足が ちいさなくつをはきます。 いってらっしゃい いってらっしゃい その手をはなし ひかりへむかってあるきはじめる。 いってらっしゃい はなれていくようなきがしていたのだけど じつは かえっていく いってら…

ニレの木

とおいところで花が咲くのかな とおいところでだれかのおとしものをだれかがひろう 大将と呼ばれたニレの木よ 真夜中にさけんで風吹かせ 命の太鼓ならしてよどの命にも届く命の太鼓 母が子をおもうような子が母をおもうような足のうらに伝わる400億年を頭…

二月

おたんじょうびおめでとう そのむかし ひとりでうまれてきて そだっていき やさしさと ちからつよさを てにいれて たくさんの いのちを つないでくれた おかあさん。 ふしのある手と ぱたぱたうごく足。 おかあさんの子どものころを わたしはしらないけれど …

一月

一月が やってきた 雪と共に やってきた あたりはやけに静かで 赤い実だけが きょろきょろ めずらしい景色を 見渡している 真っ白に 膨れた世界を 身体のなかに ふくませて そのしずかな世界を わたしの肺のあたりの うちポケットに 今のいままで 溶けないよ…

12月。

暮れも押し迫り 相変わらず バタバタと過ごす日々。 でも そんな時間のなかで とつぜん 大好きな人達に 会えるチャンスが巡ってくる。 わたしは顔色をひとつもかえず、 相変わらず散らかった部屋を片付けるのだけど、 心の中は 肺や心臓はダァダァダァと な…

境 道一 知子 陶展 終了しました

空気が 新年に向かっているこの感覚は いつも 慌ただしいのに 愛おしく感じる。 境 道一 知子 陶展 2014、終了しました。 今年は12月末の展覧会となってしまい、 お忙しい中、来て頂き、ほんとうにありがとうございました。不思議なことに ご縁のある…

境 道一・知子 陶展 2014  

初雪。朝、白く音のない世界に 呼び起こされて 目が覚めた。 今年は年末になってしまいましたが、 また今年も境さんご夫婦が雪降り積もる長野から やってきてくれます。今年は、道一さんの作品がメインとなります。 作風が少し変わったとききます。さてはて…

ぶらさがる。

ぶらさがる ぶらさがる 秋は、いろんなものが ぶらさがって見える。 色づいた葉っぱも木にぶらさがり 人のこころも うつりゆく空の色をみつめては、 ぶらさがる。 もう少ししたら ぴりりとした12月がやってくる。 その 一歩手前 いろんな こころが ぶらさ…

小さな柿。

かきねの かきねの まがりかどに オレンジ色の 柿の木がありました。 こぶりでまるまるな オレンジ色の柿を ひとつふたつと とりました。 すずなりの柿には ひとつもふたつも かわりはないのですが、 ふたつみっつで もう いいようにおもい 右手にふたつ 左…

ふぉるくろーれ

どうしてかな おかしいな おなじじかんを いきているのに あそこにいる わたしは まるで かりてきたかりてきたかりてきた あんですのたみだ。 あんですさんみゃくの やまなみにのって、 わたしの いでんしは ここ ここ って おたけびを あげている。 いでん…

つきのよる。

月をみるのも 板についてきた。片付けをするのも 板についてきた。朝のお弁当つくりも 板についてきた。今年のわたしが ようやく 板についてきた。虫の音とともに 月の呼吸が 聞こえてきそうな しずかな 夜。 この夜とも 仲良くなれそうだ。 10月。つきの …

あまみゆうこ巡回展「BOB BOMB!へんてこ生きもの展」無事終了しました

嵐が過ぎ去り、 生温い風を全部もっていってしまったよう。嵐の夜にちいさな娘と過ごした夜をおもいだします。 随分時間がたってしまいましたが、あまみゆうこさんの「へんてこ生きもの展」 無事終了しました。 チクチクワクワクゆうこさんの周りにあるもの…

あまみゆうこ巡回展「BOB BOMB!へんてこ生きもの展」

夕暮れの空に 人の心がうつったように 奇跡のような色をみせて 雲が漂う秋はいいなぁあまみゆうこ巡回展 「BOB BOMB!へんてこ生きもの展」9月27日土曜日 11時から17時 消しゴムハンコ職人みかさんがBOBと仲間達を彫ってくれます 手帳をお忘れなく〜!…

ひさびさmiituk ミーツクのお知らせです。

秋の夜に虫の声が映えます。 草の匂いもただよう夜です。久しぶりの miitukミーツク お知らせです。9月27日(土) 11時から17時 9月28日(日) 11時から15時あまみゆうこ 巡回展 『BOB BOMB!へんてこ生き物展』 あまみゆうこさん。 ひょんなこ…

夕焼けにやけ。

夕焼けに にやける 夕焼けに 口元が ゆるむ それは それは 真っ盛りの 情熱の 季節のはなし。 虫の音が 気のおさまった 夕刻によく映えて、 やけに 頭に響いてくる。 九月の 夕方は 緑が 優しい。 一気に 長い本を 読み終えたような 出会った事があるようで …

はこ。

届けたいひとがいて 届いたちいさな箱。 そのちいさな箱を もってうまれてきた。 あのひとも このひとも そのひとも ふたりがわたしたはずの ちいさな箱は ひとのいきているあいだに いろがふえ かぜがふえ おとがふえ ひかりがふえ にぎやかな 箱となって …

さるすべり。

さるすべりがよんでいる。 あちらこちらで 蝉といっしょになって よんでいる。 わたしはのぼれもせずに つるつる つるつる と めのはしでとらえては ざんぞうをたよりに はんすうする。 さるすべりをとらえると それはきついなんごくの おさけをのんだように…

たことなすとおくら。

たことなすとおくら。そのむらさきとくろずんだあかいろのなかにとびだすあおいおくら。 むかし祖母が たこめ たこめ こら たこめ といいながら たこをたたいていた。 作った事もない たこの煮物を 歌をたよりに すりこぎのなかで たたく。 食べた たことな…

短冊

あちこちで 短冊がゆれている 家の中でも 扇風機にゆられ かさこそかさこさ いろとりどりに。 七夕祭りに出かける 年頃のこどもたちは まるで ひまわりのように 振り返ることもなく ぐんぐんと おおきくなる。 まぶしくせつないほどに。 短冊が飾られたアー…

かぜ

かぜがおしえてくれたいまグランドにいることを。 かぜがひとふきすこしのびすぎのしょうねんのあたまのような シバフを、 すこしおとなびたおないどしのおんなのこが とおりりがかりにじゃりっとしょうねんのあたまをなでるように ひとふき やっていった。 …

あめのおとととけいのおと。

時計の音が聞こえてきました。 静かになって 台所もちゃんとかたづいて お風呂にもはいって 髪がぬれているころ 時計の音がやってくる。 雨の音がするあいだ 時計の音はこないけど なぜだか 誘いのノックのようで 外の匂いをかぎにいく。 雨の音のするあいだ…

五月。

うっそうとしげっています。 我が家の庭。 冬の間は茶色の印象の庭だったはずが、 すごい勢いであまりに茂るもので、どれか一つでもジャックの豆の木みたいに 天に伸びて、、、 までおもうのですが、高所恐怖症は天にはあまり興味がないようで、 やはりそろ…

五月一日はずずらんの日。

五月一日は大切な人にずずらんの花を贈る すずらんの日 らしいです。フランスでは。 花言葉は、「幸福が帰る」「幸福の再来」「意識しない美しさ」「純粋」 せめて心の中で あの人にこの人にと すずらんの花を贈って自転車で家路につくとどうやら 自分がもら…

青い豆

青い豆が出回ってきました。 エンドウ豆。 昔はあまり好きではなかったはずなのに、 今はどうしてだか 大好きな豆ごはん。働いていたお店で 今日は特別ってな日に ママが炊いてくれたからかな。 ゆっくり豆をゆがいて、 そしてゆがいた豆はざるにはあげずに…