白ネギ姫

白い道を歩いた


まだ誰も足跡をつけていない


まっさらな道


白い息を吐きながら


すこしふくらんだ道を歩いていく


歩けば歩くほど


わたしは白い世界に染まっていく


やがて身体は熱をもち


静かに胸は高鳴りはじめ


そうして生まれた白くて甘い鼻歌が


冷たい風にとけていく


お鍋に入った白ネギが


だんだんと甘くなってゆくのは


彼らのなかのワクワクが


こっそり誘い出されたせいか?