小さな柿。
かきねの
かきねの
まがりかどに
オレンジ色の
柿の木がありました。
こぶりでまるまるな
オレンジ色の柿を
ひとつふたつと
とりました。
すずなりの柿には
ひとつもふたつも
かわりはないのですが、
ふたつみっつで
もう
いいようにおもい
右手にふたつ
左手にひとつもって
家にかえりました。
帰り道、
夕焼けで空がオレンジ色に染まっていて
それでもうたくさん柿を食べたような気持ちになったので
ひとつは隣の人にあげました。
そうして柿をふたつ持って帰りました。
かきねのかきねの曲がり角に
わたしのうまれるずっと前から
大きな柿の木がありました。
木は、すこし首をかしげたような形をしています。
その夜、
ひとつの柿をふたりで食べました。