センダンの木。

もう12月だなんて、早いなぁ。


4月から働いている自然食の食堂は、とても居心地がいい。
一緒に働いている人たちも毎日のように来るお客さんのことも、どうやらとても好きなんだなぁと思う。


それでも桜の盛りが終わる頃は、緊張の糸がゆるみ少し疲れが出ていたのだとおもう。


「そのまま帰るのもな…」と、荒神口の辺りから鴨川べりに出て休めそうなところを探す。


そこで出会ったセンダンの木。


大きなセンダンの木に緑の葉の間からモクモク紫色の花が咲く。


桜の圧倒的な美しさに魅せられたのも束の間、余韻だけを残し見事に散っていった桜の花びらにあっけにとられていたところを、静かにそっと佇み、大らかにその葉を揺らしていたセンダンの木。


木の下にベンチとお地蔵さんがいるところ。

そこがお気に入りの場所になる。
調子のいい時は、近くの美味しいクッキー屋さんでソフトクリームを買ってベンチで休む。


気持ちいいねぇとか綺麗やねぇとか小声で呟いて、夕方は忙しいので家路へ急ぐ。


この間、どうしてるかな、と久々に見に行った。

実をつけていた。


通りがかりのおっちゃんが、「センダンは双葉より芳し」っていうんやで。と教えてくれる。
(後で調べるとそれは、白檀の木のことだとか)



20代前半、沖縄離島を旅していたときに西表島で出会ったゆきちゃんから童話が届く。

そのときからずっとお話を書き続けているから、もう10年以上になる。

木のお話だった。
木は生まれてくると、自分の担当の人間を一人決められて見守ってくれるんだって。

正君とあきこちゃんの担当は、杉の木太郎と栗の木の香。


森の中に佇む木の静けさが胸に響くよう。
青森の山奥で育ったゆきちゃん。
そんなゆきちゃんから自然に生まれたお話。



自分の木を見つける。



いいなぁとおもう。


ゆきちゃんのお話、興味のある方はうちで読んでいってくださいね。