夏の夕暮れ。

夏。


という言葉にまだ慣れない。

この間、梅雨明け宣言をしたばかりだからなのか、
それとも、去年までの夏には戻れない、心の奥の想いがあるからなのか。



それでも夏が来ると、暑いねぇ、暑いねぇ、と誰かと顔を見合わせる度につぶやく。

昔は、気候の話なんてつまらない、と思っていた。

でもいまは、とてもいいな、と思う。
暑いねぇ〜のなかに、色んな言葉が人それぞれの折りたたみかたで、たくさん詰まってたんだなぁって気づく。



ふぅふぅ言って、汗をかきかき一日を終える頃には、着ている服はべっとべと。
夕方にシャワーをあびて、そのまま着ている服も洗濯板でゴシゴシ洗う。

二階のベランダに服を干しにいく頃には、あたりはもう夕暮れ。



夏の夕暮れがたまらなく好き。
ちょっといいかげんでお調子者、でもほんとはとても優しい、そんな風が吹き抜けていく。
つーん、となる。



今日のお昼頃、姉から入籍しました、とのお知らせ。
今までで見た中で、一番綺麗でなんだか頼もしいお姉ちゃん。


おめでとう。


みんなみんな、ここから始まったんだなぁと思って、じわり…となってしまった。


台風が迫っているこの静かな夜を、金木犀の木の葉がザワザワカサカサ言い出すと、必ず聞こえる遠くの風鈴の音を、またいつか思い出す日がくるのだろうなぁ。