たことなすとおくら。

たことなすとおくら。

そのむらさきとくろずんだあかいろのなかに

とびだすあおいおくら。


むかし祖母が
たこめ たこめ こら たこめ
といいながら
たこをたたいていた。


作った事もない
たこの煮物を
歌をたよりに


すりこぎのなかで
たたく。


食べた
たことなすとおくらの煮物は
すこし
不慣れな味がしたけど、


たたいたたこの
食感は
あの時食べた
それ 
だった。


夏というものは
どうしてだか、
なつかしいものを
よびもどしたくなる
そんな
勢いのある
季節なんだなぁ。