さるすべり。

さるすべりがよんでいる。


あちらこちらで
蝉といっしょになって
よんでいる。


わたしはのぼれもせずに
つるつる つるつる と
めのはしでとらえては
ざんぞうをたよりに
はんすうする。



さるすべりをとらえると
それはきついなんごくの
おさけをのんだように
かっと
のどのおくで
はながさく。


もえるような
ももいろのそのはなは


なつのひかりといっしょになって
わたしののどのおくを
にぎわす。


八月。
白いひかりの世界。